世界中の皆さまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。ここ日本では梅雨を迎え、しとしとと降り続く雨が街を潤し、湿気のなかにも夏の気配が感じられる季節となりました。そんな中、私たちは先月の世界大会の記憶と熱気をいまなお鮮明に心に残しながら、次の一歩へ向かっています。
本年5月31日・6月1日に開催された「第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会」は、約2万人の来場者を迎え、フルコンタクト空手界が真に一つとなる歴史的な祭典となりました。競技の枠を超えた豊かな文化的発信が随所に見られ、各国選手によるハイレベルな試合はもちろん、昭和期の資料展示や各団体の歩みを紹介するパビリオン、未来を担う少年演武団、そして盲目の空手家イエバ選手による渾身の演武が、会場を熱く感動で包みました。
大会期間中に行われた国際会議では、8つの国際実技連盟と、世界各地の地区連盟・国連盟が正式に加盟し、ついに123の国と地域に道場を擁する、世界最大規模のフルコンタクト空手競技連盟「WFKO」の礎が築かれました。
これは、フルコンタクト空手界にとって長年の悲願であった「世界競技連盟」の形成に他ならず、将来的なオリンピック競技化に向けた確かな土台が整ったことを意味します。
今後は、各団体が自主性と伝統を尊重しながら、共通の競技規則と公平な運営体制を築き上げていくことが求められます。そして4年後、再び世界の舞台で出会えるその日まで、互いに競い合い、選手を育て、フルコンタクト空手の価値をさらに高めてまいりましょう。
私たちは、世界中の仲間たちとともに、真に普遍的な武道文化としての空手を、次世代へと継承していく使命を共有しています。これからも、連携と友情を大切にしながら、フルコンタクト空手界のさらなる発展を目指してまいりましょう。
皆さまのご健勝と、ご所属団体のご発展を心より祈念申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
2025年6月末日
全世界フルコンタクト空手道連盟(WFKO)
会長 緑 健児